ミッドサマーを見た感想【レビュー】美しくて気持ち悪い映画でした

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ミッドサマーは、アメリカとスウェーデンの合作ホラー映画です。

ホラー映画というと、暗くておどろおどろしい雰囲気の物語を想像するけど、ミッドサマーは真逆です。
美しい木々や花々に囲まれた中で物語が進んでいきます。
これが逆に怖いというか、気味が悪い。

けっこうグロかったり、理不尽なシーンがあったりするので苦手な人は絶対に見ちゃダメなやつです。
内容がかなりアレなんで賛否両論ある作品ですが、私は最後まで面白く見ることができました。

簡単なあらすじ

主人公は、アメリカの大学に通う女の子ダニー。
ダニーは彼氏とその友達たちに誘われて、夏休みに一緒にスウェーデンへ行くことになりました。
友人の中の1人ペレの故郷であるホルガ村で、一緒に夏至祭（ミッドサマー）に参加するのが目的です。

ホルガ村の住人たちは古めかしい白い服を着ていて、まるでアーミッシュのような共同社会を築き暮らしをしています。

ホルガを案内するペレは、こんな話をします。
「ホルガでは、人生を季節に例えられるんだ」と。

18歳までの子供→春
18〜36歳→巡礼の旅に出る夏
36〜54歳→労働の年齢で秋
54〜72歳→人生の師となる冬

なるほどなるほど。
でも、あれ？
じゃあ72歳以上は？

って思いますよね。
この伏線はすぐに回収されます。

☠️

夏至祭当日の朝。
どこ考えても72歳以上に見える老人男女を中心に、ホルガの人々は朝食を食べ始めます。
そして......ここから美しくてグロい世界が一気に始まっていきます。

ちなみにこの老人役の俳優は、1971年に公開された映画「ベニスに死す」に出ていた有名な美少年だそうです。

感想

とにかくエグい。
美しい自然の映像に反して、エグい。

かなり野蛮に見える部分があるけど、これは伝統的なカルチャーだと言われると何も言えない。

ホルガ村の住人たちは何が起こるか分かっているのに、主人公たちだけが分かっていないっていう怖さ。
この進み方は王道ホラーな感じでした。

気持ち悪さの原因

ホルガ村の気味の悪さには、2つ原因のあると思います。

1.アナログ監視社会

ホルガ村で見聞きしたことを外部に漏らそうとすると消されます。
また、村のルールを破った人も消されます。
まるで石原慎太郎の「秘祭」みたいです。
（この小説も面白いよ！）

で、この村では情報が筒抜けなので、とにかく消されるのが早いんです。
超アナログな世界なんだけど人間同士の繋がりが強すぎて、監視カメラなんて無くても行動が全て把握されているんです。
田舎の怖さにも似ているかな？
監視カメラ不要の、アナログ監視社会です。

2.見ざる言わざる聞かざる

ホルガでは、都合の悪いものは「見ない聞かない喋らない」が原則です。

例えば...
（ちょっとネタバレになっちゃうけど）

生贄になる人に、痛みや恐れをなくす薬を与える場面があるんですよ。
でも実際にはそんな物ないんです。
偽薬なんです。
だから、生贄になった人は恐怖と痛みで大声をあげて叫び出すんです。

その悲鳴に合わせて、村人たちも一斉に叫び出します。
聞こえないフリをするためにです。
村人たちには叫び声なんて無かったことになります。
こんな風に、都合の悪いものは見ない聞かない喋らないを貫きます。

個人的なキモ場面

恋のおまじない
恋のおまじないって聞くと可愛らしいんですけどね。
実際には、ロックオンした人の食事（パイ）の中に陰毛を入れたりします。

薬物と音楽とダンスでトランス状態
フォークダンスと椅子取りゲームを混ぜたようなダンスを夢中で踊る村の女の子たち。
最高に気持ちよくなってきたあたりで
「言葉はいらない！ダンスで通じる！」
とか言い出しちゃいます。
この場面を見て、運動会のフォークダンスが急に怖くなってきました。
音楽に合わせてクルクルと同じ動作を繰り返すのって、何だか気味が悪いです。